宅建の分野別学習方法について、今回は「税金・その他」の分野について、お話をさせて頂きます。
「税金・その他」については範囲も広く、そして、「税金」ときくと、
などの理由で、あまり勉強しない受験生が多くいらっしゃいます。
しかし、実は問われているのは例年限られた分野です。
また、税金について知識を得ていることは、実社会においても非常に有益です。
勉強せずに捨てる、ということは非常にもったいなく、やれば確実に点数がとれる分野ですので、食わず嫌いにならず、きちんと正確な知識を得て、是非とも得点源にしていただきたいと思います。
宅建|税・その他って何?
税・その他とは
まず、宅建本試験における、「税金・その他」の分野について解説させていただきます。
「税金・その他」の分野で出題されるのは、税金に関する法律のほか、
などに関する問題が出題されます。
基本的には暗記の科目です。難問が出題されることもありますが、基本を覚えてさえおけば、確実に得点できる科目となります。
配点
次に、税金・その他の分野の配点について詳しく見てみましょう。
宅建本試験は全部で50問出題されますので、出題数としては少ないと言えます。
なお、税金の出題範囲は、
であり、おおむね毎年、2問出題され、配点は2点となっています。
出題範囲
「税金・その他」の分野の出題範囲については以下の通りです。
・土地
・建物
・住宅金融支援機構法
・不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
・統計
・不動産鑑定評価基準または地価公示法
難易度
「税金、その他」の分野、特に税金については、出題範囲が広いこと、そして、税金に対する苦手意識をお持ちの方が多いので、点数を落とす方が多くいます。
しかし、税・その他は出題内容が毎年固定されている傾向にあり、ちゃんとポイントをおさえておけばしっかり点数が稼げるボーナスステージともなります。
税金と聞くと
と試験対策をする前から及び腰になる方も数多くいますが、税理士試験で求められる税金の知識と、宅建で求められる税金の知識は全く異なり、宅建の試験で求められるのは税金の基礎的な知識だけです。
よって、難易度自体は高くないと言えます。
税・その他を勉強する際のポイントは?優先順位の高い分野を紹介!
それでは、具体的に「税金・その他」を学習する際のポイント、についてみていきましょう。
税・その他を勉強する際のポイント
「税金・その他」を学習する際のポイントは、ずばり「出るポイントを絞って勉強する」ということにつきます。
先ほど、申し上げましたように、「税金・その他」については分野が広いですが、出るポイントは絞られています。毎年必ず出題されている分野が例年数多く出題されています。
ですので、その頻出分野を徹底的に押さえて、それ以外が出れば捨てる、というスタンスで十分です。
必ず勉強すべき分野は?
それでは、必ず押さえておくべき分野について解説いたします。
詳細については省略いたしますが、それぞれの分野の概要と、頻出分野について述べさせていただきます。
①住宅金融支援機構
まず、住宅金融支援機構の目的です。
2.良質な住宅建設に必要な資金調達に関する情報提供など
これをきちんとおさえてください。
次に、業務について
1.証券化支援業務
いわゆる、フラット35(長期固定金利型の住宅ローン)に関する業務。
2.融資保険業務
中小金融機関が住宅ローンの供給ができるように、住宅融資保険法による保険を行う
不足の事態により、住宅購入者が住宅ローンを支払わず、中小金融機関が住宅ローンの回収ができなかった場合に、機構が保証すること。
3.情報提供業務
住宅購入をしようとする人たちに対して、必要な資金調達または良質な住宅設計、建設
に関する情報提供や相談を行うこと。
4.直接融資業務
住宅資金の直接融資は原則廃止となったが、
②「子どもの育成家庭・高齢者の家庭に適した賃貸住宅」
③「高齢者の家庭に適した住宅のリフォーム」
に関する必要資金の融資を行うこと。
5.既往債権の管理・回収業務
住宅金融支援機構の前身である住宅金融公庫の権利と義務を承継しているため、住宅金融公庫が関わった住宅ローンの管理・回収業務を行う。
また、フラット35については、融資の要件についても(年齢、住宅の床面積や価格、融資金額など)についてもしっかりと押さえておいてください。
不当景品類及び不当表示防止法
出題傾向としては、具体的な例(新築や新商品などの表示)を挙げて、その表示をすることができるかどうか(不当表示にあたるか)が問われます。
次に、不当景品類及び不当表示防止法と不動産の表示に関する公正競争規約についての知識が問われます。
過去問を潰して上記の知識を定着させるようにしてください。
学習方法としては、新築マンションのチラシなどを並べて、具体的に見てみることをおすすめします。
土地
土地の問題の出題傾向としては、土地に関する基本的な知識を問う問題と、その土地が宅地に適しているか、災害などの危険性があるかなどが問われます。
今まで出題されていないような問題が出たとしても、常識的に考えると、解答を導くことができることもあるので、冷静に問いを考えてください。
具体的には、
について、基本的な事項を押さえておけば十分です。
建物
幅広い知識が問われますので、深入りせずに、キーワードのチェックなどで済ませておくべきです。
【勉強法】税金はどこから勉強すべき?ポイントも紹介
それでは、具体的に税金の勉強法について解説していきます。
税金を勉強する際のポイント
税金の出題範囲は上述のとおり、
です。
所得税は一番皆様に関係している税金ですが、難しく、わかりづらいので、後回しにしてください。
次に、不動産取得税と固定資産税、そして、最後に所得税を学習するようにしましょう。
学習方法は過去問の反復だけで結構です。過去問を繰り返し解くことで知識を定着させましょう。
【出題予想】必ず勉強すべき分野は?
では、最後に出題分野をそれぞれの税について、解説していきたいと思います。
などを説明します。
印紙税
一定の売買契約書などを作成した場合に、印紙を貼り消印することにより、納税するのが印紙税です。
ポイント
をきちんとおさえてください。
そして、課税標準についてもきちんとおさえるようにしてください。
贈与税
課税されるのは贈与財産に対し、受贈者(贈与によって財産を取得した個人)が納税します。
ポイント
基本の暦年課税の贈与税だけではなく、相続時精算課税制度や直系尊属からの住宅取得資金の贈与の特例は頻出です。
贈与の特例は金額がかわりやすいので、しっかりと覚えておいてください。
登録免許税
宅建試験では、不動産登記を申請する場合に課せられる税を中心に出題されます。
ポイント
それぞれの登記の課税標準(何を基準として課税されるのか)と税率をおさえてください。
さらに、住宅用家屋の場合の税率の軽減措置について、
についても、押さえておくようにしてください。
また、土地についても税率の軽減措置があるので押さえておいてください。
次に勉強すべき分野は?
印紙税、贈与税、登録免許税を押さえることができましたら、次は不動産取得税と固定資産税に進みましょう。
不動産取得税と固定資産税は、対比しながら覚えていけば、効率的に学習することができます。
などを説明します。
不動産取得税
ここで注意が必要なのは、不動産の取得は有償無償を問いません。
さらに、登記の有無も関係なく、現実に所有権を取得したと認められれば課税されます。
また、増改築については、家屋の価値が増加した場合に限り、増加分について課税されます。
ポイント
という点をまずおさえましょう。
また、不動産取得税が非課税となる場合、住宅用家屋の特例などについても、押さえておきましょう。
固定資産税
一度、払えば終わりというものではなく、所有し続ける限り毎年課せられる税金です。
ポイント
について、まずきちんと押さえましょう。
不動産取得税では課税対象ではなかった別荘ももちろん、固定資産税の課税対象であること、免税点や税率、課税標準と評価替え等についても、きっちりと理解しておいてください。
最後に勉強すべき分野は?
最後に所得税を勉強しましょう。
から毎年2問しか出題されませんので、所得税がでたら捨ててしまって、所得税の学習時間をほかの分野の学習にあてる、というのも一つの方策であります。
それでも、知識としては知っておいた方がいいことばかりですので、ぜひとも重要な点だけでも、押さえておくようにしてください。
所得税
不動産を譲渡すると、購入した金額と売却した金額との間に差が出ます。
利益が出た時に課税されるのが、不動産の譲渡所得と言います。
ポイント
を押さえておいてください。
また、住宅ローン控除も所得税の頻出分野ですので、しっかりと押さえておくようにしましょう。
まとめ
今回は税・その他の分野における、特に税についての対策についてお話しさせていただきました。
税法はとっつきにくいですが、実は覚える範囲も少なく、容易に得点源にできます。
また、税は宅建試験対策にかかわらず、皆様の生活に密着している分野です。
宅建試験対策というだけではなく、ぜひとも皆様の見識を深めるためにも、得意分野にしていただきたいと思います。