宅建の学習を始めようとする際に一番悩むところが、資格試験予備校に通学するのか、通信講座を受講するのか、あるいは独学で学習するのか、という点です。
初学者であっても、独学で宅建試験に合格することは可能です。また、資格試験予備校に通学したからといって合格が約束されているわけではありません。
しかし、資格試験予備校に通学することは数多くのメリットがあり、その大きな一つが、合格への早道であるということです。
今回は、
・通学で宅建を学習するデメリット
・通学で宅建を学んでいる人の口コミ!
・通学の資格学校の選び方は?
・通学できる資格学校のおすすめ
・どんな人が通学に向いているか
について解説します。
通学で宅建を学習することのメリットは?
まずは、宅建を通学で学習することのメリットについてお話をさせて頂きます。
豊富な情報を実績
宅建試験合格を目指す人、これから初めて宅建を学習する人にとって一番重要なのは、正確かつ十分な情報です。インターネット等でも検索することができますが、この正確かつ十分な情報量を集めているのが各種資格試験予備校です。
正確かつ十分な情報とは、合格への効率的な学習方法や問題の分析、そして当たり前ですが、各種法令の正確な知識です。
資格試験予備校は合格者数を増やすことが最大の目標でありますので、そのための情報収集には余念がありません。
その資格試験予備校の情報を上手に活用することが合格への早道であると言えます。
質問ができる
独学で学習していると、特に初学者の方々は理解に苦しむ事項が多々出てくると思います。
例えば、民法94条にはこうあります。
第1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
第2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
民法を学習した人なら、第1項は通謀虚偽表示は無効である旨。第2項で善意の第三者には対抗できない、と理解していると思います。
しかし、初学者の方々にとっては条文を読んでもイメージがつかないことが多いと思います。テキストを読んでも正確な知識を理解できないことも多々あります。理解しているようで、実は誤った解釈をしてしまっていることも多いでしょう。
そのような際に、タイムリーに質問することができないのが、独学や通信講座のデメリットであり、反対に、タイムリーに質問することができ、理解するまで教えてもらうことができるのが、通学のメリットです。
モチベーションの維持
独学ですと、学習計画も自分で考えなければなりません。また、通信講座ではある程度学習計画は与えられますが、それを実行するのは隙間時間で自分自身が行わなければなりません。
学習する環境というものは非常に大切であると筆者は考えており、よほど自制心に自信がある人でなければ自宅での学習は誘惑が多いものです。
隙間時間で学習するといっても通勤中の電車では、腰を据えての学習に比べ、集中度合いは劣ることが多いでしょう。
そのような環境で長期的に学習していくとどうしてもモチベーションが低下しています。
筆者は独学で宅建試験に合格しましたが、それは確固たる意志で毎日学習した結果にすぎません。それでも、毎日の精神状態のコンディションなどテキストを開いても文面が頭に入ってこないときもあります。
とにかく、独学は孤独なのです。自分自身でモチベーションをあげる、維持し続けるということは実は非常に難しいことです。
しかし、資格試験予備校に週1回でも通学して講座を受講すると、それだけで学習計画の維持が可能であり、講師の話を聞きモチベーションをあげることが可能です。
また、他の受講生の学習している風景などを目の当たりにでき、受験仲間ができることも予備校の通学でこそ得られるものであり、受験仲間の存在がモチベーションを維持することにつながります。
通学で宅建を学習することのデメリットは?
それでは、反対に通学で学習することのデメリットについても考えてみたいと思います。
デメリットを押さえてこそ、通学での学習のメリットを享受することができますので、デメリットの通りにならないように気を付けて頂きたいと思います。
お金がかかる
基本的にどの資格試験を受験するにしても、また、どこの資格試験予備校であったとしても、通学講座が一番費用がかかります。
独学<通信講座<通学講座 の順番に費用は掛かってきます。
なるべくお金をかけたくないという受験生にとっては、この費用の面が最大のデメリットになると思います。
自宅あるいは通勤地の近くになければ通えない
通学するのですから当然ですが、ご自身の自宅あるいは勤務地に近くなければ通学することはできません。
大手の資格試験予備校では各都市にあることも多いのですが、そのような環境にない人の場合には通学講座の受講は現実的ではありません。
また、毎週1度でも通学するのでその時間は必ずあけておかなければなりません。そうなると、忙しい方や専業主婦の方などは通学講座の受講は現実的ではないかもしれません。
「勉強した気」だけになる
予備校の通学講座を受講することの最大の注意点ですが、それは受講するだけで「勉強した気」だけになることです。
惰性で学習をし続けると、どうしても週に1度だけ予備校で受講するだけということだけで満足してしまい、自身での努力を怠ってしまうことが多々あります。
あくまで、予備校の講座を受講するのは最低限のことであり、そこからどれだけ復習し、自身の血肉となるような知識に持っていくことができるかが、合格のカギを握ります。
通学で宅建を学んでいる人の口コミ!
それでは、次に実際に通学で宅建を学んだ経験のある人、実際に現在学んでいる人の評判をあげてみます。
悪い口コミ
① 高いお金を払ったにもかかわらず、テキストの質が悪い
② 講師の当たり外れが大きい
良い口コミ
① 講師の話が上手でモチベーションが維持できた
② テキストの質が良く、重要点を効率よく教えてもらえた
③ 学習計画の相談にものってもらえた
④ 自習室など学習環境が整っていた
まとめると
確かに、通学講座は費用が相対的に高くなってしまいがちです。そして、高い費用を払っているならば余計に講師やテキストの質については厳しい評価になってくると思います。
また、講師と言っても人間ですからそれぞれ話の得手不得手や、究極に言いますと声の好き嫌いもありますので、ご自身と合う合わないはでてきます。
他方、ご自身とぴったり合う講師と出会えれば通学すること自体がモチベーションのアップにつながりますし、学習効率が非常にあがります。
また、資格試験予備校ならではですが、ご自身の得手不得手の分野を踏まえた学習計画を相談できるということも大きなメリットになります。
実際のところ、講師やテキストは好みの問題が大きな部分を占めます。ですので、悪い口コミがそのままどなたにも当てはまるかは判断しかねるところではあります。
口コミだけに踊らされないことも重要な視点の一つと言えるでしょう。
【必見!】通学の資格学校の選び方は?
それでは、通学の資格学校を実際にどのように選べばいいでしょうか。
実際のところ同じ予備校の口コミでも、いい評判を書く人もいれば悪い評判を書く人もいます。
どのように通学講座を選ぶべきか、筆者の考えを述べたいと思います。
無理なく通うことができるか
通学するならば無理なく通うことができるかを、まずは第一に考えて頂きたいと思います。「無理なく通うことができる」ということは、ストレスなく通学することができるのかということです。
つまり、単純な距離の問題だけではなく、テキストの善し悪し、あるいは講師の善し悪しも含めた点を重点的に考えて頂きたいと思います。
しかし、初学者であるならば、「テキストや講師が善いのか悪いのかなど判断はできない」とお考えになるでしょう。
そこは、単純に好き嫌いで判断すべき点なのです。テキストが見にくい、あるいは講師の話し方が嫌い、など単純な好き嫌いで結構です。
受験生活は大変にストレスがかかるものです。少しでもそのストレスを軽減するためにもご自身の単純な好き嫌いで判断していただきたいと思います。
無料体験講座を受講する
実際に数か所ピックアップすることができたら、可能であれば数か所の無料体験講座などをぜひとも受講してください。
実際に講師の話を聞くことができれば、ご自身があうか合わないかが判断できます。
多くの予備校が開催しています。また、ライブ配信などを行っている予備校もありますので、是非とも活用していただきたく思います。
実際に校舎にいってみる
実際に校舎に行くこともおすすめです。自宅あるいは通勤地から通学時間、あるいは電車などの混雑具合なども含めて、校舎まで行くことで見えてくるストレスなどもあります。
逆に「合間にここの素敵なカフェで勉強しよう」など、モチベーションのアップにつながるヒントが見つかることもあります。
実際に予備校に通っている人たちを見る
校舎についたら是非とも通学している人たちを観察してください。
多くの資格試験予備校は宅建講座だけではなく、公務員講座や簿記、大手などでは保育や医療など様々な受講生が通学しています。
校舎の雰囲気が落ち着いて学習できる環境でないとか、他の教室が講義中であるにもかかわらず廊下で大声で話をしているとか、そのような生の環境を目の当たりにして自身がその中で学習できるかどうか判断することも重要です。
受付で相談してみる
宅建講座を受講したい旨を実際に受付で相談してみましょう。そして、専門のカウンセラーがいるのであれば、是非とも話を聞いてみることをおすすめします。
講師は予備校の看板ですが、それを支えるのが、受付やカウンセラーです。親切丁寧な応対をする予備校もあれば、そうでない予備校もあります。
実際にカウンセラーの相談を受けることができるのであれば、その予備校を選ぶかそうではないかは別にして今後の学習計画のヒントになりますので、是非とも相談をしてみてください。
以上、基本的には自身のストレスを少しでも軽減できるかという点を、可能であれば数か所の予備校をみて判断することが重要です。
【3選】徹底比較!宅建|通学できる資格学校のおすすめはどこ?
それでは、筆者の独断ですが、数ある資格試験専門予備校から3つの予備校をピックアップし解説させていただきます。
TAC
概要
資格の学校TAC(タック)は、会計・金融・パソコン・法律などの講座を開講している資格の学校です。公認会計士・税理士等の会計系の資格に強く、合格率、合格者数は共にトップクラスです。
カリキュラムの内容
・受験生を短期間で、いかに効率よく合格へと導くかをテーマとしている
・講師陣、オリジナル教材、戦略的カリキュラムの3要素に力を入れている。
講師・教材の質
・初学者にも親切丁寧な講義であると評判
・基礎知識のためのテキストは要点がまとめられて使いやすく内容も十分。
受講後のフォロー体制
・欠席した場合の振替制度なども充実
・合格後の登録実務者講習も対応
口コミ
・重要なポイント、そうでないポイントが良く分かる構成になっていて、勉強の指針が立てやすかったです。また、極めて信頼性が高く、合格のためのエッセンスが凝縮された教材であるため他の教材は全く不要です。
・テキストは確かに出そうなところに絞って作成されているが問題の解答解説はお粗末な時が結構ある。
受講方法
・通信通学ともにあり。
・多彩なコース設定
全国の学校数
・35校
無料体験
・有
LEC
概要
・弁護士・司法書士等、法律系の資格に強い
・講座修了者はプロキャリアによる転職・就職サポートや、特別セミナーへ参加できる
・LECオンラインで通信講座やLECが発行する書籍を購入できる。
カリキュラムの内容
・宅建の出題傾向や難易度の変遷を見極め、“今”の時代に合った得点できるカリキュラムを提供
・講座数が多く、自身にあった講座を受講することができる
講師・教材の質
・乗り入れ制度を活用して、複数の講師の講義を聞き、自分にあう講師を見つけることができる
・教材は実際の事例をビジュアルで確認。目で見て覚えられる「図や表」が多数掲載。 複雑な事例理解や法律用語の使われ方などもここで整理しながら解説。
受講後のフォロー体制
・合格者向けの講座も充実
・合格後、他資格へのステップアップへの割引もあり
口コミ
・講義はとても楽しく面白く、笑いながら勉強できた
・自習室の開放が減り、校舎も減ってしまい、その上、講義もオンラインとか録画形式のものが増えて、昔より不便さが際立つ。
受講方法
・通信通学ともにあり。
・多彩なコース設定
全国の学校数
・59校
無料体験
・有
日建学院
概要
・資格学校としてはかなり歴史があり主に建築・建設・不動産に関連する資格講座に定評がある
カリキュラムの内容
・「勉強をきちんと習慣にできる」仕組みがあり、遠回りしがちな勉強を「最短距離で効率よく学べる」独自のノウハウがある。
・「合格するために」必要な知識を効率良く身につけられる実践対応型
講師・教材の質
・試験内容を熟知したスタッフが、蓄積された膨大なノウハウをベースとして、最新の情
報を取り入れた教材及び講座内容
・基本的に映像授業なので、講師の生講義による授業と違い、全国どこでも同一の講義が受講できるので、講師によるレベル差がなく講師選びに悩まなくて済む
受講後のフォロー体制
・宿題を徹底させる指導が行われ、勉強そのものの習慣化及び予習することで自分の分からないポイントを先回りして抑えることが出来る効果あり
・ライセンスアドバイザーによる学習カウンセリング
・個人分析表を元にした学習アドバイス
口コミ
・日建のカリキュラムは、授業だけでなく自宅学習まで組み合わさっていて感心した
・仕事のある日は1~2時間、休みの日は6~10時間くらいで日建のノルマ(予習、復習、宿題)を達成するには必要
受講方法
・通信通学ともにあり。
・eラーニングあり
全国の学校数
・直営校、提携校含めて全国700ヶ所以上
無料体験
・有
どんな人が通学に向いている?
さて、それでは、どのような人が通学講座に向くのでしょうか。
筆者の私見ではありますが、該当するならば通学講座を選択された方が合格への近道になりますので、冷静な自己分析のうえ、ご検討ください
金銭的な余裕がある
まず、何よりも金銭的な余裕があることが大前提です。
安く済ませようと思えば安く済ませることは可能です。無理して通学することはありません。
毎週決まった時間に講義を受けることができる
当然のことながら、週に1回ないし2回ほど定時に通学することができるという方が大前提になります。
もちろん、欠席した際のフォロー制度などが各予備校で準備されているのが通常ですが、あくまで欠席はイレギュラーなことです。
自分で学習のペースをつくることが苦手
少し辛辣な表現となりますと、自分で勉強することができないということです。それはけして善し悪しではなく、ただの自身の性格及び半生を振り返って、今までの学習経験から判断して頂いたら結構です。
自分で学習計画をたてて、それを遂行できる方であれば独学でも合格の可能性は高いです。それが難しいと判断されるのであれば、そして、それでも宅建士に早期に合格したいのであれば是非とも通学講座の受講をおすすめします。
まとめ
今回は宅建の通学講座について述べさせていただきました。まずは、ご自身の性格として独学、通信、通学どれがいいのか判断していただくことが重要です。
けして、独学で宅建に合格したから優秀というわけではありません。
実際に宅建士となり、お客様と実務にかかわり始めたら、独学も通学も関係ありません。
自身の性格を見つめて判断されるべきです。
また、予備校の選び方ですが、高いから、有名だからよいというわけでもなく、安い、無名だから悪いというわけでもありません。また、高いからよかったという点もあるでしょうし、安いからやはりそれ相応だという点もあります。
最終的には、自身の目でみてどの予備校を選ぶべきであるかを判断されるのが一番です。そのためにも、是非とも一度通学したい校舎まで足を運ばれることをおすすめします。